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( 2024/11/27 )
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二度目の世界(完結)
( 2008/02/11 )
私は玉座を守る者。君は王だよ。その通り。その通りさ! だから私は君を殺す。私が守っているのは玉座であって玉座に座る者ではないからね。本当は君が王だと気付いた瞬間に殺すべき、だったのだろうけれども今更な事だから言うのは止めにしよう。さて、御仁。覚悟は如何かな? 何故か、などと問うものではないよ。世界に王は必要無いのだからね。王がいれば世界は安定し、安定した世界では人は生きてはいけぬのさ。退廃し腐敗する。それを発狂と呼ぶ事も知らぬまま人々は安寧の内に狂っていく。その吐き気を催す光景を君は見た事が無いのだろうね。当たり前だよ此処は二度目の世界、なのだから。私は気付いたから最後の一人になった。他の者達は気付かなかったから最後の一人にはならなかった。恐らくこれは人の性なのであろうけれどもそれは今は問うまい。玉座は王を求めている。私は玉座を守っている。私は王足らんとする全てのものを根底から否定し拒絶する。だから私は玉座に嫌われているのさ。二週目が来てから幾星霜、私の所為で玉座は常に孤独だったのだから。玉座はとても寂しがりでだからこそ王は其処に座す事があってはならぬ。二度と離れる事が叶わなくなって仕舞うよ。さあ、孤独が終わる前に君を終わらせようか。